街を歩いていると、小雨が降ってきました。
ふと見上げると白い雨の向こうに
ダンス教室の看板が見えました。
エレベーターで上がりました。
男の先生が出てこられて、
君、踊ってみない!と言われて「ドキッと」としました。
かなり踊れそうな若い女性の方が、
「私がお相手します」と言ってくださって、
踊ることになりました。
「さて、どうしよう」組んだのはいいが、
自分自身の体は、冷凍の鮭状態でカチンカチン。
2,3歩踊るのが精いっぱいでした。
帰り道、上手く踊れなかった悔しさがわいてきて、
「よし、やるぞ」と決意しました。
ダンスシューズ、教本、ビデオなどを購入して
とりあえず、週1回レッスンを受けたのです。
後から考えれば、それが私の人生を変えることになりました。
少しずつ上達していき、とても面白くなりました。
そしてある時、教室の窓から夜の街を見ていると
タンゴの曲が聞こえてきました。
心にしみわたってきて、「いいな」と思ったのです。
このいい感じが、「毎日味わえたら」と思い、
阪急六甲駅から少し高台にアパートを借りました。
六甲アイランドに向けての夜景は最高で、
毎日ワインを飲みながら楽しみました。
青春時代の1ページです。