ダンス物語⑬私は電話を持っていない!時には電報が!そんな時、思いがけないプレゼントが!

今は、どなたでもスマートホンなどの

携帯電話をお持ちですね。

当時、連絡する手段はお家の固定電話か

公衆電話,ポケベルなどでした。

携帯電話を持っている人は、特殊な仕事をしている人

工事現場で仕事をしている人などでした。

一般的には、普及されてませんでした。

今の若い方には信じられない世界です。

そんな中、私は固定電話も持っていませんでした。

それなので、ついついうっかりすると

知人や生徒さんから電報が届くのです。

「**です。至急ご連絡下さい!」と。

一瞬、「ドキッと」としますね。

急いで公衆電話から電話をします。

お相手からは、「もういい加減電話つけてよ!」

と言われます。

「つけてよ!」とは、家に設置することです。

今思えば、人と連絡がなかなか取れないことに、

情緒を感じていたのかも。

そしてある時、

Mさんが、「先生、プレゼント!」と

セイデンシャの大きな袋を渡してくださいました。

「何ですか?」と、お聞きしますと

「開けてみて!」と。

すると中には、電話機と

NTTの加入権が入っていました。

私は、思わず感極まって、

「本当にありがとうございます。」

Mさんは「いえいえ、どういたしまして!

先生これで逃げられませんよ!」と。

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社交ダンス物語⑫生徒の皆さんとデモンストレーション!どこで踊っても通用するダンスにしたい!

時がたち、私の生徒さんも

それぞれ上手になっていきました。

そんなあるとき、「先生、デモしたい」

「先生と一緒にダンスを発表したい」と、

真剣な表情でおっしゃられました。

私は、この時を待ってました。

「Tさん、頑張ってみますか?」と言うと、

「先生、お願いします」と、

うれしそうな顔をされました。

それから、週二回、半年をかけて

Tさんのダンスを仕上げていきました。

足からヘッドに向けてのライン。

ヘッドチェンジの時間のかけ方。

リズム感など、どこで踊っても通用する

ダンスにしてあげようと思い、その気持ちが

Tさんに伝わったように思います。

一生懸命レッスンについてきてくれました。

そして半年後、Tさんは、私とワルツで出演しました。

余計なことをせず、教えたとおりに

踊ってくださいました。

拍手喝采で、Tさんには多くの方々が

「とても綺麗だった」と言っていただきました。

私は、Tさんに「よく頑張りましたね。

習ったことを確実に表現できた。その成果ですよ」

と言うと、少し涙を浮かべられて

「先生、踊っているとき、とても気持ちよかった。

ありがとうございました。」と、お礼を言われました。

私も、少し満足をして控室に向かおうとすると、

後ろから「先生、待って~~~」と声が聞こえました。

私の生徒3人が近づいてこられて、

3人口をそろえて、『私たち次回、出演させてください」

とおっしゃられました。

私は、「これは大変だ!」と思いつつ、

「この3人を、どう育てようか!」と、

考えていました。

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