時がたち、私の生徒さんも
それぞれ上手になっていきました。
そんなあるとき、「先生、デモしたい」
「先生と一緒にダンスを発表したい」と、
真剣な表情でおっしゃられました。
私は、この時を待ってました。
「Tさん、頑張ってみますか?」と言うと、
「先生、お願いします」と、
うれしそうな顔をされました。
それから、週二回、半年をかけて
Tさんのダンスを仕上げていきました。
足からヘッドに向けてのライン。
ヘッドチェンジの時間のかけ方。
リズム感など、どこで踊っても通用する
ダンスにしてあげようと思い、その気持ちが
Tさんに伝わったように思います。
一生懸命レッスンについてきてくれました。
そして半年後、Tさんは、私とワルツで出演しました。
余計なことをせず、教えたとおりに
踊ってくださいました。
拍手喝采で、Tさんには多くの方々が
「とても綺麗だった」と言っていただきました。
私は、Tさんに「よく頑張りましたね。
習ったことを確実に表現できた。その成果ですよ」
と言うと、少し涙を浮かべられて
「先生、踊っているとき、とても気持ちよかった。
ありがとうございました。」と、お礼を言われました。
私も、少し満足をして控室に向かおうとすると、
後ろから「先生、待って~~~」と声が聞こえました。
私の生徒3人が近づいてこられて、
3人口をそろえて、『私たち次回、出演させてください」
とおっしゃられました。
私は、「これは大変だ!」と思いつつ、
「この3人を、どう育てようか!」と、
考えていました。
青春時代の1ページ