夜の仕事も慣れてきて、独自のメニューも、
作れるようになりました。
みなさんには、内緒にしていたのですが、
私は、お菓子屋の四代目なのです。
経験は浅いのですが、お店では、
いろいろと自由にさせていただき、
かぼちゃのプリン、抹茶のムース、フルーツケーキ、
アップルパイなど10種類ぐらいのお菓子を作り、
クリスマスには、イチゴのショートケーキを、
メニューに入れました。
お客様には、とても喜んでいただきました。
ビュッフェスタイルなので数分でなくなりました。
チーフは、私に、「今日は作るのをやめとけ!」
「奴らは(お客様)は、いくらでも食べるぞ!」
と、言いました。
私は、「わかりました!」と、素直に返事をしましたが、
心の中は、とてもうれしかったのです。
ホールの女の子も、お客さんが少なくなってきたら、
キッチンに入ってきます。そして、
私の横に来て、しばらく立っています。
私は、「どうしたの!」と、言うと
ニッコリとして、「うん!」と、言うのです。
私は、少し、じらして「そうなんだ!
これが目的なんだ!」と、言うと
「そう!」と、言うのです。
私は、「チーフには、内緒だよ!」と、
<兄貴の>お菓子をいくつかあげると、
喜んでホールに戻っていきました。
業界用語で、兄貴と弟があります。
そして、「あっ!」という間に時間となり、
着替えて、阪急電車に走りました。
こんな感じで夜の仕事を続けているうちに、
お昼のダンス教師の仕事も、
予約でいっぱいになりました。
オーナー先生からは、「あなた!夜の仕事は、
もう、いい加減にやめなさいよ!」
「夕方からのグループレッスンを手伝ってよ!」
と、おっしゃられました。
私の本業は、ダンス教師なのですが、
ライブハウスの仕事も楽しいので、
しばらく続けることにしました。
青春時代の1ページ