社交ダンス物語⑥試験前講習!そして、プロテスト!(ダンス教師試験)

ダンス物語

当時、ダンス界は、今のようにいくつかの団体に

分かれておらず、一つの団体で構成されてました。

競技会は、一つのブロックの出場者がとても多かったです。

プロ試験も受験者が、かなり多かったように記憶しています。

時がたち、いよいよプロ試験です。

準備をしていきました。

試験は、筆記と実技があり、筆記はダンスの技術的なこと、

一般教養、マナーなどです。

実技は、ソロ試験、カップル試験です。

私の勉強法あるいは練習法は、半分は特定の先生のご指導で、

残りの半分は、独学でした。

その理由は、踊り方がいろいろあったからです。

自分自身で本当の踊り方を見つけようと思ったのです。

試験前講習会の当日、40人くらいの受験生が来られていました。

協会技術部の部長の橋本先生が、本日の講師でした。

試験に出るステップやアマルガメーションなどの説明を受け、

それを、その場で受験生が実践する流れです。

何回かこの工程を繰り返していると、

「そこの君!」と、声が聞こえてきました。

誰を呼んでいるんだろうと思って振り返ると、

先生と受験生全員が、私の方に向いているではないですか。

「しまった!何かやらかしたんだ!」と思い、

「はい!」と、返事をしました。

すると、

先生が、「みなさんの前で踊りなさい!」と、

おっしゃったので、「あ!はい!」と、言って

指定されたステップを踊りました。

踊り終わると先生は、「OK!」と、言ってくださいました。

また、しばらくすると、「みなさんの前で踊りなさい!」と、

おっしゃられ、「OK!」でした。

私だけこれを4~5回させられました。

私としては内心、気持ちよくなってきて

少し有頂天になっていました。

すると、他の役員の先生が、私に近づいて来られ、

「あなた、、ちょっと!」

「ヒール・プルをやってごらんなさい!」

とおっしゃられ

「はい!」と言ってすると、

「ヒール・プルができていない!」

「それでは試験、落ちますよ!」

と、言われました。

やり直して、丁寧に踊ってみせると、

「まあ、いいでしょう!」と、言っていただき、

ほっと、しました。

おそらく、「調子に乗っている私の鼻をへし折ってくださったんだな」と、

思いました。

そして、翌日になりプロ試験当日です。

筆記試験は、想定した問題が多かったので、まずまずでした。

実技試験は、ソロダンスの男性、女性を間違えずにできました。

カップルダンスは、スローの時、4つ角から4組、踊り始めるので、

中央でぶつかる可能性があるため、他の組から遅れてスタートしたのは

とてもよかったです。

お相手のパートナーからは、何回も腕を引っ張られました。<笑>

そして、無事終了しました。

試験を終えた感想は、ご指導していただいた先生に感謝と

私の独学力に確信が持てたことです。

<自分自身で思考することは大切と>

何日か過ぎると、試験の結果が発表されました。

合格でした。

「よかった!」と思いながら他の合格者と

喜びを分かち合っていると

橋本先生が来られて「君、トップだったよ!」と、

おっしゃっていただきました。

とてもうれしかったです。

それと同時に、「あまり有頂天にならないでいよう」と、

思ったのです。

青春時代の1ページ

 

 

 

 

 

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